こんにちは☺　今年最後は衛生士の守山が担当させていただきます！！

歯の治療にとって、とても重要な役割を担っている仮歯。
単に、見た目のためだけに使われている訳ではありません。実は、治療のカギを握っているんです。
仮歯が取れちゃったとき、まさかそのまま放っておいたり、捨てちゃったりしていませんか？
今回は、仮歯の重要性についてお話しします！

仮歯って取れやすいですよね、、
もう少し強いセメントで付けてほしいと思った方もいると思います。

仮歯は、歯の根の治療や被せ物の制作中など治療途中の歯に被せる人工歯。
本格的に噛めるほどガッチリとつけたりしたら、次の治療をするときにスムーズに外れず、治療中の歯を傷めてしまいます。そのためにわざと弱めのセメントでくっつけているのです。仮歯の素材はプラスチック。長期間の使用を前提としていないので、耐久性のある硬いものより、形の調整に便利な素材が選ばれています。そのため、強く噛むと割れやすいんです。

こんな仮歯ではありますが、じつは患者さんにとって切実な「見た目の回復」や「息もれを防いで話しやすくする」といった役目以外にも、歯科治療のクオリティを上げ、患者さんの歯を守るという大事な働きがあることをご存知でしょうか。
みなさんが仮歯を大切にしてくださると、よりよい治療をご提供できるので、とても助かるんです。

ここからは仮歯の役割について説明します。
仮歯は大きく分けて3つの役割を担っているのです。

1削った歯を細菌感染や刺激から守る
▶︎削った歯は傷口と同じ。包帯のような役割です

2歯型を取ったあと歯が動かないよう固定する
▶︎歯は放っておくと自然に動きます。土台の歯が動いて、できあがった被せ物が入らなくならないよう固定します

3「噛める状態」を維持する
▶︎治療中も噛んで食べられるようにします。しばらく噛まずにいると食感のセンサー「歯根膜」が怠けます。そこへ被せ物が入り急に噛めるようになると、過剰反応し「被せ物が高い！」と感じてしまうのです。そこで本番に備え、仮歯を使い噛むことに慣らしておきます。
※根っこの治療中の歯などは一時的に噛まないほうがよいこともあり、例外もあります。

このように仮歯はとっても大切な役割を果たしており、治療の質を左右するのです。

せっかくの治療を台無しにしないための「 仮歯との付き合い方」についてもお伝えしますね♪♪

①仮歯で強く噛まない

②くっつきやすい粘着性のあるものは噛まない

③お掃除は丁寧に

④フロスや楊枝は使わない

⑤取れた仮歯は捨てない

⑥仮歯が取れたらすぐに連絡を！

⑦仮歯中の治療中断はトラブルのもと
→仮歯が入っているからしばらくはこれでもいいか！思うのは大間違いです。仮歯は汚れたり削れたりします。長期の使用は虫歯の再発や歯の移動の原因になります。

仮歯を壊さずに使って予約どおりに来院してくだされば、仮歯を外してサッと土台の歯を洗浄後、できあがった被せ物が少しの調整でピタリと入ります。仮歯のおかげで細菌汚れが少ないので、洗浄も土台の歯への接着もスムーズです。

仮歯を大事にすれば、人前で仮歯が外れたりして困ることもなく、歯がしみにくく、そのうえ、できあがった被せ物の装着感も格段によくなります。
みなさんもきっと、仮歯の果たしている重要な役割を知れば、これまでよりも「大切にしよう」と思うのではないでしょうか？
ぜひお口のなかの仮歯と上手に付き合って治療をスムーズに進め、快適な被せ物を手に入れて下さいね(^^♪

 

参考文献nico 2019 7月