歯周病と糖尿病は名コンビ!

みなさん、こんにちは。
今月は、衛生士の石田が担当します☆
皆さんは、「名コンビ」と言えば、何が思い浮かぶでしょうか?
ホームズとワトソン、のび太とドラえもん…などなど。名コンビの条件は、2人揃うと輝きが増すことだと思います。
病気の世界でも名コンビと言えるものがあります。
それが、歯周病と糖尿病です。
ひとつだけでも厄介なこの病気は、2つ揃うとその厄介さを増してしまいます。
この2つの病気の共通点は、「慢性炎症」であることです。
炎症は、体を守るために起こります。外敵の体への侵入を察知した免疫細胞は、「炎症性サイトカイン」というシグナルのような物質を出します。
この物質が「敵だ!戦え!」と免疫システムにスイッチを入れ、外敵との戦いが始まるのです。
この戦いが炎症です。
歯周病でいう外敵は、お口の中のバイオフィルム(いわゆるプラークや歯垢)。
糖尿病でいう外敵は、食事のたびに増えるブドウ糖(血糖)です。
どちらも体から追い出すことは出来ません。だから、どちらの病気も炎症性サイトカインがずっと出っ放しになり、免疫細胞に「戦え!戦え!」とシグナルを送り続けるようになるのです。
 炎症性サイトカインは、血流に乗って全身に運ばれ、歯周病由来のシグナルと糖尿病由来のシグナルが増幅されていきます。
その結果、歯周病と糖尿病はお互いに悪化し合うのです。まさに腐れ縁の悪友コンビですね。
 ちなみに、炎症性サイトカインは、歯肉や膵臓の炎症を悪化させるだけでなく、インスリンの働きも鈍らせてしまいます。インスリンは膵臓でつくられるホルモンで、血糖を筋肉•肝臓•脂肪の細胞に取り込ませる役割をもちます。
取り込まれた糖はエネルギー源として使われるか、細胞に蓄えられます。このインスリンがうまく働かなくなると、高血糖になるのです。
 はた迷惑なコンビの歯周病と糖尿病ですが、逆に、「一方が欠けると勢いがなくなる」という側面もあります。2000年以降、「歯周病の治療をすると糖尿病がよくなる」「糖尿病の治療をすると歯周病がよくなる」という論文が続々と発表されました。
コンビのどちらかが改心すると相方も改心するというのですから、本当に仲がいいと言えますね。
 つるんで悪さをする歯周病と糖尿病に立ち向かうには、患者さんにも、治療のための名コンビが必要だということですね。
医師と歯科医師をあなたのホームズとワトソンにして、歯周病と糖尿病という「難事件」の解決をぜひ一緒に目指しましょう!!


nico2025年 10月号 参照